1期治療:3歳~13歳前後
ヒトの上顎は16歳まで、下顎は18歳まで成長を続けるため、小児の時期に歯の生え変わりを利用して骨格にもアプローチすることができます。
実は顎の関節は、前歯の生えてくる角度によって形が変わると言われ、第一大臼歯である6歳臼歯がしっかり噛めるかどうかも将来顔や顎が左右対象になるかに影響を及ぼす可能性があり、将来顔がゆがんだり顎関節症になるリスクを抑えることができる絶好のタイミングです。
そのため、乳歯の時期に行う一期治療は「最小限の介入で最大限の効果」があるといわれています。
よく「いつぐらいから歯科医院に相談にいけばいいでしょうか?」
という質問を頂きますが、通院できるなら何歳でも構いませんが小さいお子さんですと1歳児半検診を受診されてから来院される方が多いです。
将来歯が並ぶか並ばないかはある程度乳歯が生えてくる3歳前後で判断できます。
将来矯正治療を希望であれば、矯正治療の前に歯科医院への通院に慣れてもらったほうがいいので早めの受診をお勧めしています。
また、矯正治療をしながら一人一人のお子さんに合わせて歯の磨き方や治療する術者側からしか見つけることができないお子さんの成長や気づいた点をアドバイスすることもできます。
矯正治療にきちんと通院できるお子さんは、お口だけでなく精神面でも非常によい成長を感じています
- ・毎日きちんと歯を磨く
- ・先生の指導やアドバイスに素直に従うことができる
- ・約束した日時に遅れず通院できる
という社会にでるのに必要な約束をきちんと守る子に育つからです。
また、ほとんどの子が矯正治療を終える18歳~20歳までの長いお付き合いになるためその間に歯を大事にしようという意識が芽生え虫歯や歯周病などのお口のトラブルを防ぐリスクを下げることができます。
小児から矯正治療を受けることは、
- ・正しいかみ合わせ
- ・美しい歯並び
- ・自分の歯を健康に保ちたいという意識
の3本柱にアプローチすることができます。
また、小児矯正は成人矯正のように毎月ワイヤー交換の通院するのではなく、歯の生え変わりや骨格の成長に合わせて通院してもらうため、成人矯正ほど頻繁に通院する必要はありません。
また中学校・高校に進学するにつれて勉強や部活動でお子さんの時間はどんどん忙しくなっていきます。
そうなる前の小学生の段階である程度歯並びを整えておけば、お子さんの生活スタイルに合わせてある程度通院間隔を調整することも可能です。
2期治療:12歳~成人
この時期は既に土台である骨格はほぼ完成されてますが、主にワイヤーを使って歯を動かして歯並びだけでなくかみ合わせも治療することが可能です。
当院がなるべく4番抜歯矯正を
避けたい理由
多くの矯正治療はかみ合わせまで考慮した矯正治療は行えてないのが現状です。
患者さんの主訴が「歯並びが気になる」というものが多いため、前歯を中心としたアプローチに集中しがちで、顎と歯のサイズのバランスが取れない場合前歯の後ろの「第1小臼歯(4番目の歯)」を抜歯して歯並びだけをよくする治療が多く採用されています。
ですが、咬合理論の観点からみると第一小臼歯(4番目の歯)は前後左右に歯ぎしりをする際の重要なキーポイントになる歯であり抜歯することで将来的にかみ合わせが不安定になり後戻りや顎関節症の原因になる場合があります。
そのため、第一小臼歯(4番抜歯)を実行する前に親知らずを抜歯したり、他の歯の傾きや捻じれを治すことでスペースを確保するなど他にできる方法がないかを咬合診査でしっかり精査することが大事です。
また、どうしても抜歯しなければならないケースになった場合は、その上でどうやったら安定したかみ合わせを作ることができるかをしっかり説明して同意を得てから治療しますのでご安心ください。
かみ合わせが悪いと特定の歯に負担がかかり歯が割れたり欠けてしまったり、筋肉のバランスが崩れ肩こり・頭痛の症状が出たり顎の関節に負担がかかり顎関節症になるリスクが増えたりします。
また、矯正治療自体は歯が動けば何歳でも治療可能です。
当院では、50~60歳のご年齢の方でも治療結果を出しています。